近年、特にコロナ禍の影響を受けて、デリバリー市場は大きく成長を遂げました。多くの顧客が、家庭での食事を好むようになり、多くの飲食店がデリバリーサービスを導入するようになりました。
この記事では、デリバリーサービスを利用して飲食店の利益を最大化する方法を徹底解説。各サービスの利用料から利益率、運営スタイル別の分析まで、効率的な経営戦略を紹介します。
今こそ、デリバリーサービスを始めるべき
デリバリーサービスは、飲食店にとって単なる収益源に留まらず、ブランドの認知度を高め、顧客基盤を拡大する手段となっています。実店舗の限界を超えて、より多くの顧客にアクセスできることは、特に地理的な制限がある店舗にとって大きなメリットです。また、デリバリーは時間帯や天候に左右されることなく、安定した収入を生み出す可能性を持っています。
デリバリーサービスを導入するときにかかる費用
デリバリーサービスの利用には、飲食店が支払う「サービス利用料」がかかります。
サービス名 | ユーザー数 | 掲載店舗数 | 手数料 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Uber Eats | 758万人 | 180,000店舗 | 売上の35% | 掲載店舗多く、都市部での認知度が高い |
出前館 | 995万人 | 100,000店舗 | 売上の40% | 国内ユーザー最多 |
UberEatsでは、注文金額の35%がサービス料として徴収され、出前館で40%のサービス料が採用されています。少し高く感じますが、代わりに飲食店は各アプリ上で店舗を掲載でき、多くの顧客に自店舗をアピールすることができます。
また、一般的に、実店舗価格よりもデリバリー価格を10%〜15%高く設定することでユーザーに負担してもらうことが多いため、店舗側の負担を半分程度にしているお店も多いです。
「Uber Eatsや出前館は割高だけど便利だよね」という一種の文化が形成されているため、ユーザーも割増料金を受け入れている傾向があります。
デリバリーサービスを利用した際の利益率
一般的にデリバリーサービスを導入したときの利益率は10~20%と言われています。
飲食業態別の利益率は下記のように高くても5%~10%なので、デリバリーサービスを導入することは利益率をあげることに繋がります。
業態 | 利益率 |
---|---|
喫茶 | 5%~10% |
カフェ・バー | 5%~10% |
ファーストフード店 | 1%~8% |
ファミレス | 0.5%~6% |
居酒屋 | 1%~5% |
実店舗価格よりもデリバリー価格を10%〜15%高く設定することで手数料の30%の内、半分を店舗が、半分をユーザーが支払っていることで店舗側の負担を減らしています。
また、デリバリーサービスを使うことで、トッピングやサイドメニューなどが比較的売れやすくなり、廃棄分が減ることも利益率をあげることに繋がっています。
経営形態別の利益率と運営戦略
実店舗とデリバリーサービスを併用することが一般的ですが、デリバリーサービスを使わずに、自社配達することや、店舗を持たずにゴーストレストランを経営する場合もあるので、それぞれの場合で利益率とコストがどのように違うかを比較してみます。
経営形態 | 利益率 | 主なコスト | 注目ポイント |
---|---|---|---|
実店舗 + デリバリー | 中〜高 | 店舗運営費、手数料等 | 顧客層の拡大、ブランド認知度向上 |
自社配達 | 低 | 配達スタッフ、車両維持 | 顧客満足度向上 |
ゴーストレストラン | 高 | 材料費、手数料等 | 低コスト、高利益率 |
自社配達を選ぶポイントは、主にデリバリーサービスが普及していない地域になります。
既に車両を持っていて、山間部などの配達しづらい地域で営業をしている店舗であれば自社配達の選択肢もあります。
ゴーストレストランは、厨房と営業許可証のみあれば始めることが出来るので、低資金で始めることが可能です。「今から飲食店をはじめてみたいが、商品が売れるかどうか不安…」という人には特におすすめの始めかたです。
デリバリーを成功に導くマーケティングのやりかた
デリバリービジネスの成功には、オンラインブランディングと顧客獲得戦略が不可欠です。飲食店であれば、取り組むべきものはたった3つだけです。
- Googleビジネスプロフィール(Googleマップで表示されます)
- SNS(今から始めるならInstagramかTikTokがおすすめです)
- デリバリープラットフォーム上の店舗ページ(Webサイト代わりになります)
この3つのマーケティングツールはいずれも、「口コミと評価」ができることが特徴です。最近のマーケティング傾向では、誰かのレビューが購買の決め手になることが分かっているため、いかに「口コミと評価」を集めるか、が重要です。
また、ネガティブなレビューがつくことを不安に思うかもしれませんが、ご安心ください。
ネガティブなレビューには迅速かつ丁寧に対応していれば、ブランドの信頼性を損なうことはありません。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール)を活用する
Googleビジネスプロフィールは、ローカルSEO(検索エンジン最適化)を強化し、Googleマップで検索した時に上位に表示するツールです。具体的には、次のような設定を行います。
ビジネス情報を最新にする
店舗の住所、電話番号、営業時間を正確に記載し、情報を常に最新に保ちます。臨時休業や祝日の営業時間などもこまめに入れるようにしましょう。
美味しそうな写真を投稿する
飲食店であれば、なんといっても一番の商品は「料理」そのものです。料理の写真や店内の様子をアップロードすることで、顧客の興味を引き出しましょう。
顧客レビューへ対応する
ポジティブなレビューには感謝の意を示し、ネガティブなレビューには迅速に対応して、信頼性を高めましょう。
定期的に更新する(週1回程度)
特別なプロモーションや新メニューの情報を定期的に更新し、顧客とのエンゲージメントを保ちましょう。
InstagramやTikTokを活用する
InstagramとTikTokは、特に若年層に人気の高いプラットフォームで、ビジュアルコンテンツを通じてブランドの個性を際立たせることができます。SNSで取り組みたいマーケティングは主に3つです。
料理の写真や動画の投稿
料理の写真や動画、裏側のストーリーなど、ユーザーの興味を引くコンテンツを投稿します。
ハッシュタグの利用
ブランドや料理に関連するハッシュタグを活用して、検索性を高め、より多くのユーザーにリーチします。
インフルエンサーとのコラボ
地元のインフルエンサーや飲食系ブロガーと連携して、店舗ブランドの露出を増やします。特に最近はInstagramとTikTokのショート動画がトレンドのため、「SNSで人気のあのお店に行ってみた」系のPRが増えています。
デリバリープラットフォーム上の店舗ページを作り込む
UberEats、出前館などのデリバリープラットフォーム上の店舗ページは、オンラインでの注文受付の窓口となります。
メニューはわかりやすく、魅力的な写真とともに料理を紹介するようにしましょう。特定の時間帯や曜日に割引を提供することで、注文数の増加を促します。顧客からの質問にも迅速かつ丁寧に対応することで、顧客の信頼を築けます。
FAQ|デリバリーサービスに関するよくある質問
- デリバリープラットフォームを選ぶ際の主な基準は何ですか?
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主な基準には、利用料金、市場でのシェアとリーチ、顧客との相互作用のしやすさ、およびプラットフォームの操作性が含まれます。また、地域によるプラットフォームの人気度も考慮に入れると良いでしょう。
- デリバリーサービスの利益率を最大化するためにはどうすればいいですか?
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利益率を最大化するためには、価格戦略を見直し、原価を抑えることが重要です。また、プロモーションや特別オファーを活用して新規顧客を獲得し、リピーターを増やすことも効果的です。
- ゴーストレストランとは何ですか?
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ゴーストレストランは、実店舗を持たずにデリバリーやテイクアウトのみを提供するレストランのことです。低コストで運営が可能であり、オンライン注文に特化しています。
- デリバリーサービスでの顧客満足度を高める方法は?
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顧客満足度を高めるためには、品質の高い料理の提供、迅速な配達、優れた顧客サービスが重要です。また、顧客のレビューに注意して、必要に応じてサービスを改善することも効果的です。
- 自社で配達を行う場合の利点は何ですか?
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自社配達の利点には、手数料の節約、顧客との直接的な関係構築、サービス品質のコントロールがあります。しかし、配達スタッフの管理や車両の維持などのコストがかかることも勘案しましょう。
まとめ
この記事では、デリバリーサービスを利用して飲食店の利益を最大化するための方法を紹介しました。今や、デリバリーサービスは、飲食店にとって単なる収益源に留まらず、ブランドの認知度を高め、顧客基盤を拡大する手段となっています。
今だと、UberEatsや出前館は加盟するのに初期費用がかからず、35%~40%の「サービス利用料」だけで気軽に始めることができます。
実店舗とデリバリーサービスの併用をすることが多いですが、自社配達やゴーストレストラン専業という経営形態もあります。また、弊社がコンサルティングしている店舗様の中には、「実店舗×デリバリーサービス×ゴーストレストラン」というデリバリー専門メニューをつくることで利益アップした店舗様もあります。
また、デジタルマーケティングで取り組むべきものはGoogleビジネスプロフィール、InstagramやTikTok、デリバリープラットフォーム上の店舗ページの作り込みの3つに絞って運用していくことがおすすめです。
弊社は、UberEatsの認定一次代理店として、無料でUberEatsの導入サポートを行っており、面倒な初期設定を代行しております。また、GoogleビジネスプロフィールのMEO対策や、Instagramの運用コンサルティングも承っておりますので、お問い合わせいただけますと幸いです。